ロゴ

情報提供
ダウンロード一覧

只今、準備中です
電磁汎用AE 法理論についての質疑応答

質問1.久保さん主張の\(A\) と\(E\) の関係式の次元的健全性
電場\(E\) の次元を誤記していました。 修正し、式\(A = jE/ω\)が次元的に健全であることを確認しました。修正資料を添付します。

回答1
電磁\(AE\)関係式\(E=\dot{A}\)の次元を見れば明らかです。資料化と定式化ダブルチェックは必須である。

質問2.存在空間
\(A\) と\(E\)は、共に実空間におけるベクトルであるが、等号で結ばれたこの式の左辺と右辺では存在する空間(実数空間,虚数空間)が異なる。これをどのように考えれば良いのか?

回答2
周波数応答は複素数空間で記述する。電場電荷保存式は、
$$電場E法:divE=ρ/ε$$ $$電磁A法:divE=ρ/ε \rightarrow$$ $$ E=-\dot{A} \rightarrow divA=jρ/εω (1)$$ 左辺の発散定理の電場保存制約有限要素マトリックスは電場\(E\)法と電磁\(A\)法とも\([αgg^T]\)となり、右辺の電荷保存制約荷重は電場\(E\)法は実数と電磁\(A\) 法は虚数となる。

質問3.ベクトルの一意性と不定性
電場\(E\) は一意に決まるが、ベクトルポテンシャル\(A\) は不定性を持っている。これらが左辺と右辺で等号で結ばれているが、これをどのように考えれば良いのか?

回答3
ポアンカレの補題P1P2 とファラデー・マックスウェル式の意味を理解する必要がある。
$$補題P1は磁束保存式:$$ $$ divB=0 であればB=rotA \qquad (2)$$ $$補題P2は定常(直流)電場式:$$ $$ rotE_s=0であればE_s=grad\phi \qquad (3)$$ $$ファラデー・マックスウェル式:$$ $$非定常ではrotE=-\dot{B} \rightarrow E=-\dot{A} 、$$ $$ 定常ではrotE=0 \qquad (4)$$ $$非定常(交流)の電磁汎用AE関係式は、式(4)より$$ $$ rotE=-rot\dot{A} \rightarrow E=-\dot{A}となる$$ 電場・電荷保存式と磁束保存式の非対称性がポイントである。
$$電場・電荷保存式:divE=ρ/ε$$ $$磁束保存式:divB=0 \qquad (5)$$ 以上の様に電磁ベクトルポテンシャル\(A\)\(\phi\)法は、非定常交流と定常直流を一緒に定式化しているので、 $$交流電場: rotE=-\frac{d}{dt}rotA \rightarrow E=-\dot{A}$$ $$直流電場:rotE_s=rot(-grad\phi)=0 \qquad (6)$$ 上式(6)より電場が一意に決まらない不定性としているが、定常現象と非定常現象への洞察力不足、理解不足、知識不足、経験不足の深刻な複合原因である。非定常交流と定常直流を別々に解析して、必要に応じて結果を重ね合せることで一義に解決する。

質問3.についての追加質問3’
1) ポテンシャル\(A\) は、一意には決まらないことを認めていますか?
2) 認めている場合:
一意に決まる量が、一意に決まらない量と等しくなる事を、どのように理解していますか?

回答3’
\(A\)\(\phi\) 法では、
スカラーポテンシャル\(\phi\) はベクトルポテンシャル\(A\) と組みにして意味を成す概念である。スカラーポテンシャル、ベクトルポテンシャルは一意でないので、条件を課すことで一意に定めることがある。
に準拠して電場を次式で定義する。
$$E=-grad\phi-\dot{A} \qquad (7)$$ 電磁場問題は式(2)~式(4)の通り式(7)右辺第1 項は定常(直流)電場を表し、式(7)右辺第2 項は非定常(交流)電場を表示しているので、定常問題と非定常問題は個別に一意に解析出来る。

数学的措定でない実学の電磁気学は、ベクトルポテンシャル\(A\)\(\phi\)では無い、ベクトル\(A\) とポテンシャル\(\phi\)の物理学的意味と解析理論が重要である。定常と非定常を同時に解く事は無いので、数学的措定の\(A\)\(\phi\)共同幻想に取り付かれている様に見える。

周波数\(ω\)の汎用電磁AE 法関係式は、式(2)と式(4)から次式で表される。
$$E=-\dot{A} \rightarrow E=-jωA \rightarrow$$ $$ A=\frac{j}{ω}E \qquad (8)$$ また、電磁\(A\)法と電場\(E\)法の電磁場周波数運動方程式は次式で表され。 $$ \frac{1}{μ}rotrotA+σ\dot{A}+ε\ddot{A}=J_0 \rightarrow$$ $$ C(\frac{1}{μ}rotrot+jωσ-ω^2ε)A=J_0 \rightarrow$$ $$ A=C^{-1}J_0 \qquad (9)$$ $$ \frac{1}{μ}rotrotE+σ\dot{E}+ε\ddot{E}=-\dot{J}_0 \rightarrow$$ $$ C(\frac{1}{μ}rotrot+jωσ-ω^2ε)E=-jωJ_0 \rightarrow$$ $$ E=-jωC^{-1}J_0 \qquad (10)$$ 式(9)はアンペール・マクスウェル方程式の左辺\(H\)へ\(B=rotA\)、右辺\(E\)と\(\dot{E}\)へ\(E=-\dot{A}\),\(\dot{E}=-\ddot{A}\)を代入して定式化する。式(10)はアンペール・マクスウェル方程式の両辺を時間微分して、左辺\(\dot{H}\)へファラデー・マクスウェル方程式\(\dot{B}=-rotE\)を代入して定式化する。電磁\(A\)法と電場\(E\)法の周波数応答は、式(9)と式(10)へ電場・電荷保存式(13)の発散定理・未定乗数法制約行列\([αgg^t]\)と電荷荷重\((αQg/ε)\)の負荷作用から同じ応答結果になる。電場が保存されると磁束は式(12)より厳密に保存される。参考として、4 本から成るマクスウェル電磁場方程式を再録する。 $$アンペール・マクスウェル式 $$ $$rotH=J+\dot{D} \qquad (11)$$ $$ファラデー・マクスウェル式 $$ $$rotE=-\dot{B} \qquad (12)$$ $$電場・電荷保存式:電場の源は電荷である $$ $$divD=ρ\qquad (13)$$ $$磁束保存式:磁場には源がない $$ $$divB=0 \qquad (14)$$ 式(11)右辺電流密度\(J\) は電線電流\(J_0\) と変位電流の和\(J=J_0+σE\) で表す。

定常直流と非定常交流についてマクスウェル電磁場方程式を整理する。 $$TABLE$$                                                                                                      
定常電流非定常交流
アンペール・マックスウェル式\( \ rotH=J \rightarrow\)
\( \ rotH=J_0+σE \)
\( \ rotH=J+D \rightarrow\)
\( \ rotH=J_0+σE+D \)
ファラデー・マックスウェル式\( \ rotE=0\)\( \ rotE=-\dot{B} \)
電場・電荷保存式式\( \ divD=ρ \)\( \ divD=ρ \)
磁束保存式\( \ divB=0 \)\( \ divB=0 \)
磁場運動と電場運動\( \ 磁場:divB=0 \rightarrow \)
\( \ rotA (補題P1)\)
\( \ 電場:rotE=0 \rightarrow \)
\( \ -grad\phi (補題P2)\)
\( \ 磁場:rotH \rightarrow \)
\( \ rotH=rotrotA/\mu \)
\( \ 電場:rot \rightarrow \)
\( \ rotE=-rot\dot{A} \rightarrow E=-\dot{A}\)
電磁場平衡方程式
電場・電荷が保存されると磁場も保存される
\( \ A法: \)
\( \ \frac{1}{μ}rotrotA= \ J_0-σgrad\phi \)
\( \ 電場・電荷保存: \)
\( \ divgrad\phi=-ρ/ε \)
\( \ A法: \)
\( \ \frac{1}{μ}rotrotA+σ\dot{A}+ε\ddot{A}=J_0 \)
\( \ E法: \)
\( \ \frac{1}{μ}rotrotE+σ\dot{E}+ε\ddot{E}=-\dot{J_0} \)
  \( 電場・電荷保存:divE=ρ/ε \)

直流のファラデー・マクスウェル式とポアンカレ補題P2 より、直流電場は次のように定義される。 $$rotE=0 \rightarrow E_s=-grad\phi \qquad (15)$$ 磁束保存式とポアンカレ補題P1と交流のファラデー・マクスウェル式より、交流電場は次の様に定義される。 $$divB=0 \rightarrow B=rotA \rightarrow$$ $$ rotE=-\dot{B} \rightarrow rotE=-rot\dot{A} \rightarrow$$ $$ E=-\dot{A}$$ $$ \quad ここでrot(-grad\phi)=0 \qquad (16)$$ 一意に決まらない電磁ベクトルポテンシャル\(A\) は式(16)の第4 式の\(rot\) スクリーニングにより、対のスカラ ーポテンシャル\(-grad\)\(\phi\)はベクトル恒等式より消去されて第5ベクトル式\(E = -\dot{A}\)となる。電場\(A\)法と電場\(E\)法は理論的に等価であるので、汎用\(A\)\(E\)法として理論統合できる。電磁\(A\)\(\phi\)法の一般電場\(E_G\)は、式(7)で定 義される。 $$E_G=-grad\phi-\dot{A}$$ $$ \quad 一般電場=直流電場+交流電場 \qquad (7’)$$ 直流平衡方程式と交流平衡方程式は、アンペール・マクスウェル式より次式で表わされる。 $$直流平衡方程式:$$ $$ rotH=J_0+σE_s \qquad (17)$$ $$交流平衡方程式:$$ $$ rotH=J_0+σE+\dot{D} \qquad (18)$$ 直流の電磁場平衡方程式(17)と交流の汎用\(AE\) 法電磁場平衡方程式(18)より、式(7’)の電磁\(A\)\(\phi\)法直交流解析は直流と交流を独立して解析して結果を重ね合わせる。

ACCESS

お問い合わせはこちら